政策提言

南大阪地域におけるこども食堂の実態調査および政策提言

当団体では、南大阪地域(高石市~岬町)において活動するこども食堂133か所を対象に、実態調査および行政・社会福祉協議会へのヒアリング調査を実施しました。
本調査は、現場と支援側の双方の視点から課題を整理し、地域における持続可能な支援体制の構築を目指したものです。

調査概要

対象地域南大阪(8市4町)
対象こども食堂133か所
回答92団体(回答率69.2%)
調査期間2025年10月~2026年1月
行政・社会福祉協議会ヒアリング12市町

なぜこの調査を実施したのか

こども食堂は、地域における「こどもの居場所」として急速に広がっています。
一方で、その多くは小規模な団体やボランティアにより運営されており、運営の継続や支援のあり方については、地域ごとに大きな差がある状況です。
また、行政や社会福祉協議会による支援も存在するものの、担当の分散や専門性の課題により、地域全体として体系化された支援体制が十分に構築されているとは言えません。
こうした状況を踏まえ、現場の実態と支援体制の双方を可視化し、今後の支援のあり方を整理することを目的として本調査を実施しました。

調査で見えた主な課題

気づいているのに、つながっていない

こども食堂は、支援が必要な子どもに気づく重要な役割を担っています。
一方で、その気づきを適切な支援へつなげる仕組みが十分に整っていません。

59.8%:支援が必要な子どもに気づいている
38.2%:支援につなげられていない


「資金」が課題に見えるが、本質は構造にある

最も多い困りごとは「資金不足」ですが、実態はそれだけではありません。
資金不足だけでなく、人材不足、周知・広報などの課題も多く上がっています。
これらは単独ではなく、複合的に発生しています。


課題を認識しても解決できない現実

56.5%が「未対応・検討中」


主な要因
人手不足・時間不足・専門的知識の不足
現場の努力だけでは解決できない構造が存在しています。

本質的な課題

本調査から見えてきたのは、
「支援が存在しないのではなく、支援がつながっていない」という構造です。
行政・社会福祉協議会・NPO等がそれぞれ関与しているものの、役割の整理や連携が十分でないため、支援が点在し、効果的に機能していない状況が見られました。

支援のあり方の転換

本調査を通じて明らかになったのは、現在のこども食堂支援の多くが、資金や物資の提供といった「リソース型支援」に偏っているという実態です。
これらの支援は重要である一方で、人材不足や運営力、支援の接続といった課題に対しては十分に機能していない側面があります。
その結果、課題を認識しながらも、解決に踏み出せない団体が多く存在しています。
今後求められるのは、単なる支援ではなく、団体の運営力や課題解決力を高めていく「育成型支援」への転換です。

具体的には、

  • 日常的な
    伴走支援
  • 課題に応じた
    助言・研修
  • 支援先との
    接続のサポート

といった関わりを通じて、こども食堂が自立的かつ継続的に活動できる基盤を整えていくことが必要です。

政策提言

こうした課題に対し、以下の提言を行います。

  • [提言1]居場所コーディネーターの配置による支援の可視化と接続 現場に寄り添い、課題解決を支える伴走支援を実現する
  • [提言2]地域における中間支援機能の明確化と委託化 育成型支援を担う専門機能を地域に位置づける
  • [提言3]南大阪圏(8市4町)における広域連携体制の構築 育成型支援を地域全体へ展開する基盤を構築する

詳細は報告書をご覧ください。

今後の展開

本調査・提言はゴールではなく、スタートです。
キリンこども応援団では、本提言で示した支援のあり方をもとに、地域における支援体制の構築と実装に取り組んでいきます。
行政・企業・地域の皆さまと連携しながら、子どもたちを地域全体で支える仕組みづくりを進めていきます。

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